復学したA君の経過観察事例を紹介
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
先日、私が担当しているA君親子との4ヶ月ぶりのカウンセリングがありました。
復学後、1日だけ部活を休んだA君
A君は、3ヶ月間の不登校時期を経て、この4月から復学した男の子です。当日の予約だったので何かよくないことがあったのかと思いきや、学校への登校自体は順調とのことでした。しかしその日、復学してから初めて部活動を休んでしまったそうです。そのため、カウンセリング予約を入れたとのことでした。
この子どもの所属する部活の顧問の先生は、いかにも体育会出身らしい雰囲気で信念を持って生徒に厳しい指導をされている先生です。不登校の原因もこの先生の厳しい指導だっただめ、お母さんとしては、心配されているご様子でした。
カウンセリングの中でA君からも話を聞きました。
- 顧問の先生が怖くて、部活の朝練のために家を出ようとすると、顧問の先生に、どやしつけられるのではないか等考えてしまい気が重くなる
- 特にこの日は最上級生としての最初の試合があり、ミスをすると顧問の先生から何か言われるのではないかと不安になり練習を休んでしまった
とのことでした。
続いて、A君の心理状態を確かめるための心理テストを実施しました。A君は同じテストを8ヶ月前にも実施しています。期間を空けて同じ心理テストを実施・比較することで、その間の心理的な変化を読み取ることができます。
A君の心理検査の結果
A君が実施した心理テストと、8か月前に実施した心理テストを比較すると、実はストレスへの耐性が大きく向上していることがわかってきました。
不安が高まって部活をサボったのに耐性が向上しているというのも変な話なのですが、これがもし8ヶ月前であるなら、1日サボる程度のダメージではすまなかっただろう、という感じでしょうか。今だからこそ、1日部活を休むという対処で済んでいるという見方ができました。
私はこの結果をそのままA君に言ってみることにしました。
- 「A君がストレスを感じていることは間違いないのだけれども、これが8ヶ月前のA君なら、この程度ではすまなかっただろう。」
- 「この8ヶ月のA君の努力があるからこそ、今の程度で済んでいる」
- 「ここは、ストレスに集中するのを辞めて、自分の鍛えた耐性についても意識してみて欲しい。そこには自分の成果があるんだから。」
と伝えました。
実際、A君は他の部分で自分のストレスへの耐性が強化できていることの実感もあったようです。自分には獲得できたものもあるのだという自信が、不安に過度に集中してしまう状態から脱するテコになってくれたようでした。
A君のその後・・・
A君のお母さんから、A君が翌日からは部活にも復帰したと連絡がありました。ここからまた、しばらく様子を見守りたいと思っています。
不登校支援センターでは、復学後の経過観察もおこなっています。まずはお近くの支部へ初回面談へお越しいただければと思います。
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