【事例】親ではなくカウンセラーが介入したことによって自分らしさを取り戻した中学2年生A君①
こんにちは。不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
今回は、前回に引き続き「カウンセラーが介入した」事でお子さんが自分らしさを取り戻していった事例をお伝えしたいと思います。
※【事例】親でなくカウンセラーが介入したことによって自分らしさを取り戻した高校1年生A子さん①
※【事例】親でなくカウンセラーが介入したことによって自分らしさを取り戻した高校1年生A子さん②
木管楽器が好きな中学2年生の男の子、A君の事例
A君は夏休み明けから登校を渋る様になりました。A君は「音楽の勉強がしたいのに、何で音楽以外の勉強をやらされないといけないんだ」と学校に行きたくない理由を挙げます。
登校を渋りだしたきっかけは、合唱祭でA君がリーダーになった時、クラスメイトが協力的ではなかった事でした。
合唱祭に向けて、クラスメイトをまとめようとするA君
クラスには、音楽が好きな子もいれば、そうでない子もいます。それをリーダーとしてまとめるという事は、A君に相当な負担がかかったはずです。
それでもA君は、音楽の良さや楽しさを理解してもらう為に、クラスメイトに献身的にアドバイスなどもしていたそうです。A君にとっては、クラスで初めて注目されて活躍できる場だったので、その「音楽の良さや楽しさを理解してほしい」という思いも強かった様です。
その一方で、家ではイライラしている様子で
- 「どうして分かってもらえないんだ!」
- 「音楽を分からないやつは、バカだ!」
などと吐き出していたそうです。
音楽が好きでも、合唱祭のリーダーとしてクラスメイトをまとめることは、楽しい事ばかりではなかったようですね。そして、その合唱祭が終わった後、登校を拒絶する様になりました。それからのA君は昼夜逆転し、ゲームに熱中する日々が続き、親御さんは対応に困り、不登校支援センターに相談に来られました。
A君のカウンセリングが始まりました
2回目からはA君もカウンセリングのためセンターに来るようになりました。私がA君と話していて感じたことは、あまり感情を表に出さない子だな、という事です。しかし、表情は大きく変わらない中でも、好きな事に対しては饒舌に話してくれました。
音楽の事、楽器の事、ガンダムの事・・・
学校についても聞いた所、「行かなくてはいけないと何となく感じながらも、気持ちが向かない」とA君は言いました。
その頃のA君は、家ではまるで王様の様に自己中心的に振る舞っていました
- 好きな食べ物しか食べない
- 好きな時間に寝て起きる
- お風呂には入らない
- 弟には命令口調で話す 等
それを目の当たりにされていたお母さんは、A君に対してどう対応したら良いかとても悩まれておりました。
「学校へ行かないのならば、少しでも家で勉強したらどう?」
とA君に声を掛けた事もありました。
A君はこう答えました。
「勉強が出来る人が偉いのか?自分だってゲームを頑張ってやっている。」
A君の小学生時代を振り返ると
小学校の先生から
- 「大きな声で叱るのはやめた方が良い子ですね。」
- 「お友達に自分から話し掛けられずに、ずっと近くにいる事しか出来ないですね」
とA君は言われていたそうです。繊細な面もあった様です。
また、お弁当の時間に突然ソースを一気飲みする事もありました。
A君は、何の為にその様な行動・言動を取っていたと思いますか?
A君の行動の目的を踏まえて親御さんとカウンセラーである私との間で「A君自立作戦」を立てました。
詳しくは次回お伝え致しますね。
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