【事例】親でなくカウンセラーが介入したことによって自分らしさを取り戻した高校1年生A子さん②
こんにちは。不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢です。
今回は、前回のブログ【事例】親でなくカウンセラーが介入したことによって自分らしさを取り戻した高校1年生A子さんの続きです。親御さんからA子さんへ接し方・声の掛け方を考えたカウンセリングの過程をお伝えしたいと思います。
カウンセリングを重ねるにつれて分かってくる、A子さんの想い
カウンセリングを重ねていくと、少しずつA子さんの中にあった想いが出てきました。
- 母が心配そうな表情をしている事が増えた。
- 母にもっと楽しそうな表情して欲しい。
- 自分のせいなのかな
- 父が良かれと思ってしてくれる事を、心から喜びたいけど、なかなか喜べない。
- 喜べない自分が変なのかな
- 親に迷惑かけたくないのに、自分の言動で迷惑そうな顔させちゃってる
- そんな自分が嫌で、自信が持てない。
- いくら周りが「そんな事ないよ」と言ってもなかなか聞き入れられない・・・etc.
そしてA子さんの場合は、心理検査の結果が根拠となり、親御さんの印象が変わり始めました。
親御さんが実施した心理検査の結果からは、
- 親は迷惑だなんて思ってない
- むしろ受け入れようと必死なのにどうしたら良いのか分からない
という事が分かったため、その結果をA子さんに伝えました。
その後、A子さんの家での行動が変わってきます。
「私はこの家にいて良いんだ。私という存在は受け入れられているんだ」という事を確認するかの様に、お母さんに甘えることが増えました。
- お茶飲みたい
- ○○連れていって
- ○○買ってきて
- ○○食べたい…etc
全部に応えられたら理想なのかも知れませんが、そんなことしたら親御さんもパンクしてしまいますよね・・・
そのため「A子さんが自分で出来ないほどの状態」なのか「やってもらうのが当たり前」になっているのか、によって親御さんのA子さんに対する対応を変えていきました。
子どもが自分で出来る事は、子ども自身でやってもらいましょう。
ここで1つポイントになってくるのは、「本人がやるまで手や口を出さない。」という事でした。
例えばA子さんの場合、家事分担で日々のお風呂掃除を担当する事になりました。
母:「お風呂掃除はお願いねー」
A子:「分かったー」
というやり取りがあったにも関わらず、夕方お母さんが家に帰って来たら、お風呂の掃除をしていないという事がありました。
それまでのお母さんだったら
- 何でやってないの?
- やるって約束したじゃない
- 今すぐやってちょうだい
とA子さんに言ったり、代わりにお母さんが掃除をする時もあったりしたそうです。ですが、その日は何も言わずに夕食の準備をしたそうです。そうすると夜、お風呂に入る直前になって、A子さんは慌ててお風呂掃除をしたそうです。そしてその日以降、昼間の内に済ませてくれる様になりました。
家の中で、A子さんの「役割」が新たに生まれた瞬間ですね。この出来事は、A子さんの自発的な行動が増えてくるきっかけになりました。
その時の事を、お母さんは次の様に振り返っておられました。
本当は、「またやってない!!」って言葉が出かかったんですけど。(笑)
「A子がやるまで手や口を出さない。」と決めたので、本人のタイミングでやると思ったので信じて放っておきました。自分でやる時は、夕食の準備の前に済ませておきたいから、その時間までに終わってないと違和感がありましたが、それは私のタイミングですもんね。あの子にはあの子のタイミングがありますから。
こういった対応は、親御さんが子どもを信じられないと出来る事ではありませんよね?そして信じるに充分なだけの根拠が心理検査の結果から出てきたのです。
この様に心理検査を実施していただくと、普段の言動からは皆目検討もつかない事が分かる事が多いのです。そして、その結果を第三者(カウンセラー)から伝えられる事で、皆さんに冷静に受け入れて頂けるのです。
最後に
親ではなくカウンセラーが介入することで、A子さんが自分自身を取り戻した事例を今回は紹介しました。
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