【不登校の子どもへの接し方】親としての4つの心構え
こんにちは。不登校支援センター仙台支部の上原です。
親御さんが不登校の子どもに対して、するべき心構えってどんなものでしょうか。
いくつかあるかと思います。今回は「心構え」を紹介していきたいと思います。
不登校の子どもに対してすべき4つの心構え
1.自分自身を責めすぎない
不登校の問題で、親御さんが陥る考えの1つとして「自己批判」があります。
- 子どもがこうなったのは自分のせいだ。
- 育て方が間違っていた。
- 自分たちが離婚したせいだ。
こういった考えにとらわれて、暗く沈んだ面持ちでカウンセリングに来られる親御さんが、実は意外と多くおられます。
- 親は何一つ悪くない!
- 失敗など全くしていない!
とは言い切れない部分もあるでしょう。子どもは親の影響を強く受けていますので、不登校の要因の1つになっているケースもあるでしょう。
ただし、それにとらわれてはいけません。それは「過去」のことです。
確かに親御さんの言動で今の状況を生んだかもしれません。しかしそれはあなたが子どもを苦しめようとしてしたことではありませんね。親御さんは今、子どもの不登校を解決しようと思っているはずです。それは前に進もうとしていることに他なりません。
前に進んで歩くとき、首だけ後ろに向けるでしょうか?その状態で歩くことは危険ではありませんか?
自分を責めないということは、反省をしないということではありません。反省や修正は大切ですし、やるべきことです。
しかしそれは歩きながらすることではないです。その反省と進歩、これは分けて行うべきです。
過去は過去として「これからどうするのか」「どうなりたいのか」という方向へ気持ちをむけましょう。エネルギーをそちらに使うほうが、子どもの為にも繋がります。
2.子どもが登校した・登校しなかったという日々の結果だけに執着しない
カウンセリングに来られたお母さんが、子どもが少し学校へ行き出した頃に
- 今日は行けた
- 昨日は行けなかった
- 明日はどうだろう・・・
と、1日1日の子どもの行動に振り回されてしまっていました。そのお母さんはカウンセリングに来る度に「行けたか行けなかったか」という結果にだけ、とらわれて話をされていました。これまで登校していなかった子どもが動き出したのですから、お母さんとして気にならない訳がありません。それは当然のことだと思います。
しかし子どもの行動の結果にだけ執着してしまうと、大切なことを見逃してしまいます。
- 子どもの変化
- 行動までの過程
- 考えていること
- 親に期待していること 等
子どもに関する沢山の情報が日々の生活の中にあります。不登校だけでない、子ども自身の問題解決に必要なものをサインとして子どもが出しています。その大切なものの結果だけを見ることによって見落としてしまう。それは非常に勿体ないことです。
また、「行けた・行けなかった」だけを見て生活をしていると、親子共に心身ともに疲れてしまいやすいです。そうなると学校に行けない日が増えていき、行けないことでまたストレスを感じ…と、悪循環におちいってしまうことがあります。
結果を気にするな、なんて言えません。結果は気になるものですから。しかし、それ「だけ」にとらわれてしまわないようにしていきたいものですね。
3.親と子どもの望みは同じ?
これはひとつの例ですが・・・
親は子どもに
- 学校へ行ってほしい
- 勉強をしてほしい
と思います。そして子どもは、
- 勉強をしたくない
- 学校に行きたくない
と思います。
親子で望みが正反対のように感じますね。そこで「なぜ?」というものを頭につけて考えてみます。
親は
なぜ?学校に行ってほしい。
なぜ?勉強をしてほしい。
子どもは
なぜ?学校に行きたくない。
なぜ?勉強をしたくない。
親御さんは・・・
子どもが学校に行って勉強をすることで、将来子どもが望んだ仕事に就くことが出来たり、生活で苦労したりしないように、「幸せな人生を送ってほしい」という思いから、「学校に行ってほしい、勉強をしてほしい」と考えるのだと思います。
子どもは・・・
今好きなゲームをしたり、見たいTVを見たりと、「自分の思う通りの幸せな生活をしたい」と思い、「学校に行きたくない、勉強したくない」と考えるのだと思います。
これは置いている時間の観点が違うだけですよね。どちらも幸せな生活をさせたい、したいと思っています。
けれどそれが「今」なのか「将来」なのかで違いがあります。それだけでまったく真逆の主張をするようになるんですね。親も子も本来求めているものは同じなのです。
ここを共通認識として持ってもらうことはとても大切です。特に親御さんは子どもにそのことに気付いてもらえるように接すると良いでしょう。
「お父さんもお母さんも子どもの考えや思いを否定しているわけではない。ただ、その見ている時間軸が違うだけなんだ」ということです。
4.北風と太陽
「北風と太陽」という童話があります。ご存じの方も多いのではないでしょうか。この話のストーリーは
- 旅人のコートを脱がせようと北風と太陽が競います。
- 北風はコートを脱がせようと強風を吹かせますが旅人はコートを脱ぎません。
- 太陽が陽ざしで暖めると旅人は自分からコートを脱ぎました。
ざっくり要約するとこんな感じのお話しです。
もう何をお伝えしたいかお分かりの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
強引な手法によって学校に行かせようとしても逆効果です。もちろん一時的に行くことはあるかもしれません。旅人だって耐えきれないほどの強風がきたらコートを手放すでしょう。
ですがその先は??
風が収まったらまたコートを着るでしょう。しかも今度は飛ばされないようにしっかりと固定したりと対策を練って。これがコートならそれでいいですが、学校ならば・・・。
子どもを学校に無理やり連れて行った日は登校できたものの、翌日は登校できない。という話をよく親御さんから伺います。繰り返せば繰り返すほど子どもの抵抗は強くなり、やがて無理やりに連れて行くことも難しくなるでしょう。
そして無理やり行動した結果、子どもは親に強い敵対心を持ち、何を言ってもまともに会話すら成り立たなくなる可能性もあります。
太陽のように自発的に動けるように促してあげる。それが完全な克服へと繋がることになります。
最後に・・・
いくつか考え方を書いてみましたが如何でしょうか?カウンセリングの中でもお伝えすることもある内容を書いてみました。
もちろんこれが全てではないですし、ケースによって違うことも多々あります。参考までにしていただき、詳しくはカウンセラーに確認してみてくださいね。
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