子どもに怒りを覚えた時は効果抜群!怒りを静め感情をコントロールする3つの対処法
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
今回は「怒り」という感情をテーマにお話していきたいと思います。
ついつい子どもを叱ってしまう
子どもに対して『叱ってはいけない』と思いつつも叱ってしまうということはありませんか?
また、『叱ってはいけない』と思う分、自分の気持ちを抑え続けていませんか?
センターに来られる親御さんの中には、「ついつい叱ってしまう」 もしくは「叱らないように気持ちを抑えているけど、時々爆発してしまう」という親御さんが多くいらっしゃいます。
子どもと接していると、怒りがワーっとこみ上げてくることもありますよね。
- 約束を守ってくれない
- 家でずっと好きなことばかりしている
- 話を聞いてくれない
- 都合のいいことばかり言ってくる
そういった子どもの姿を見ていると、怒りが湧いてきて子どもを叱りたくなってもおかしくありません。「叱りすぎても良くない、というのは冷静に考えると分かることなんだけど、気持ちが抑えられない」ということもあるでしょう。
一方、「怒りをぶつけるのは良くないこと」と強くブレーキをかけている親御さんはご自分の怒りを表に出さないよう我慢されていることと思います。しかし、我慢していてもなんとなく態度や表情、声の調子に怒りがにじみ出て、子どもがそれを感じ取ることもありますよね。
それに我慢には限界があるでしょう。耐えて耐えてやってきたけど、一向に良くなる気配が無い、そんな行き詰った思いを抱きながら我慢をし続けるのは過酷です。親御さんが我慢し続けて辛抱を重ねるのがいいかというと、 それは辛いでしょう。
ここは一度、「叱る」でも「我慢する」でもなく、心を静めるためのコツを試してみませんか?
「怒り」は二番目に湧いてくる感情
自分の感情をうまく制御するにあたっては、自分がなぜそのような感情を抱いているのか、理解や気付きを深めることが役に立ちます。
そこで、「怒り」という感情の性質について見ていきましょう。
心理学では、怒りは二次感情であると言われます。「二次」がついているということは、「一次」があるということです。つまりは、怒りより前に抱いた感情、「一次感情」が隠されているのですね。
例を使って考えてみましょう。
子どもが友達のところに遊びに行って、約束の時間に帰って来ない。夕食の時間になってようやく帰ってきた、ということがあったとします。
そんなことがあったら
- 「今まで何してたの!」
- 「遅くなるなら連絡してちょうだい!」
とでも言いたくなりますよね。言わないにしても、怒りの感情が湧いてくるでしょう。
さて、この場合「怒り」の前にやってきた、隠された「一次感情」は何でしょうか?
色々なパターンがあるかと思いますが、以下のような感情があるかもしれません。
- 子どもが何か悪いことに巻き込まれたのではないかと「焦燥」し「心配」「不安」になった。
- 夕食がいるのかいらないのか分からず予測がつかなかったので「困惑」した。
- 私が心配していることを理解してくれていない気がして「不満」だった。
- 連絡されず、自分がないがしろにされた気がして「寂しかった」「傷ついた」。
こういった一次感情は意識されないままに、「怒り」へと転換されていってしまいます。そうして「どうして!」「なんで!」と相手を責めたくなるのが心の性なのですね。
「学校に行かない我が子を見ているとイライラする」という怒りの一次感情は
「学校に行かない我が子を見ているとイライラする」親御さんのそんな気持ちの裏には、
- 子どもへの心配や将来への不安
- 期待が裏切られた
- 落ち込む 等
色んな気持ちが渦巻いているのではないでしょうか?そういった処理しきれなかった気持ちが「怒りの養分」となっているかもしれません。
視点を変えて考えてみると・・・
もしも子どものことをどうでもいいと思っていたら、そんな気持ちも湧き起こらないでしょう。
怒りが出てくるということは、それだけ親御さんが子どもに対して真剣で、色んな思いを抱いている証拠だと思います。
しかし、その本意が子どもに伝わらず、「叱られた」「否定された」という事実だけが子どもの心に残る場合、 叱り続けると子どもとの関係は悪化してしまうかもしれません。怒りを相手にぶつけると、相手もそれに応答していがみ合いになるか、相手がひどく傷ついて終わるか、あまり良い結果を期待できません。
そこでぜひ、怒りの前にやってきた感情(一次感情)に目を向けてみてください。
- 「あぁ自分は心配だったんだなぁ。だからこんなに怒ってるんだろうなぁ」
- 「もしかしたら自分はひどく落ち込んだのかもしれない。それが怒りに変わってるのかも」
そういった自分の心の動きへの気付きが生まれると、自分の心を客観的に、冷静に見やすくなります。
怒りの処理方法は自分の一次感情を理解すること
もとより心はままならず、勝手に動き回るので困ったものですが、「怒り」という自動的に生まれた制御できない感情に支配されてしまうのではなく、そういった心の動きをつまびらかにしていき、自分の感情を理解していくのです。もっと言えば、なぜ自分がその一次感情を抱いたのだろうと深堀りしていくこともできます。
- 「落ち込んだということは、自分は何かを期待していたのかもしれない」
- 「自分は何を期待していたんだろう」
- 「結局子どもにどうなって欲しいんだろう」
そういったことを突き詰めていくと、
- 子どもをどんな風に支えていくか
- どんな親子関係でありたいか
といったところも見えてくるでしょう。
怒りを覚えたらやってみていただきたいこと3つ
これまで述べてきたことを踏まえ、怒りの感情から抜け出すために、以下のことを提案したいと思います。
① 叱りそうになったら、その場から離れる
②「怒り」の前にやってきた「一次感情」に気付く
( ③「事実」と「気持ち」をセットで「説明」する )
①叱りそうになったら、その場から離れる
怒りの頂点にあるとき、穏やかに話をするのは至極困難ですね。そこで、「あ、私怒りそう」「このままだと叱っちゃいそう」と感づいたら、一旦撤退しましょう。必要であれば「ちょっと考えさせて」「気持ちを整理させて」とでも伝えて、その場を離れましょう。
落ち着いて考える時間をつくることをお勧めします。
②「怒り」の前にやってきた「一次感情」に気付く
前章で述べたような「一次感情」を見つける、ということです。「自分はこういう気持ちになったから、怒りがこみ上げてきたんだなぁ」と分析してみます。
そうして自分の心の動きの理解を深めます。
( ③「事実」と「気持ち」をセットで「説明」する )
※最後の③は括弧でくくっておりますが、ここは注意して実践してください。
②で見付かった「一次感情」によっては、相手に伝えると傷つけてしまうこともあるからです。
例えば「子どもが学校に行かずに落ち込んだから、私はイライラしてるんだ」と気付いたとして、子どもに「あなたが行かないのを見てると落ち込んでしまうのよ」などと伝えても、状況が良くなるとは考えにくいですね。
- 「結局自分が行かないのが悪いんだ」
- 「自分の問題だから勝手に落ち込まれても困る」 等
子どもの受け取り方によっては非常にリスクがあります。「この一次感情は伝えない方が良さそうだ」と思われた場合は、ぜひ心の内側で理解を深めるところで留めておくか、第三者に伝えるかにしておきましょう。
もしも伝えておきたい、伝えた方がいいだろうと判断された場合には、その感情を言葉にして伝えてみてください。「叱る」のではなく、穏やかに「説明する」というのが大事です。「こういうことがあって、こんな風に感じたから、こういう気持ちになったの」と、「事実」と「感じたこと」をセットで伝えるのがポイントです。
それによって「こうすると相手はこう感じるんだな」と子どもに理解させてあげることになります。たとえ子どもが「ふーん」といったような素っ気ない反応しかしないとしても、叱るよりかは説明を試み、理解を深めさせていった方がいいでしょう。
上の例で言うならば
- 「帰りが遅かったから、何かあったのかもしれないって思ったから心配になったの」や
- 「連絡がないと私は心配になっちゃうから、今度からは連絡してくれると嬉しい」
などといった伝え方があるかもしれませんね。
子どもは親を見て学ぶ
怒りが生じたときに、その処理の仕方として「理解を深める」「説明する」という方法をお勧めしてきました。
不快な気持ちを相手にぶつけるとか、物に当たるとか、そういった方法によって解消しようとするのを子どもにはできるだけ覚えさせたくはないですよね。可能な限り、「話し合いによって解決する」ということを練習させたくはありませんか?
子どもは自分の親を行動の規範、「モデル」としてみなすところがあります。そこでぜひ、感情を上手く表出するモデルになってあげましょう。
最後に・・・
自分の気持ちを言葉にして、落ち着いて子どもに説明してあげる。
それを実践されてこられた親御さんを、カウンセリングの場で見てきました。子どもの性質によって大なり小なり差はありますが、続けていくうちに、だんだんと子どもと衝突することが減ってきたり、 子どもが親を真似るように、正直に気持ちを言うことが増えることがあります。それに親御さん自身が、気持ちを溜め込みすぎず、適度に外に逃がせるため、自分の気持ちを言葉にして説明することは精神衛生上いいですね。
自分の気持ちって案外ないがしろにされやすいところです。ぜひご自分の気持ちを見つめ、いたわってあげてくださいね。
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