保健室登校(別室登校)をしている(したい)子どもと学校の向き合い方②
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
今回も、前回保健室登校(別室登校)という学校との向き合い方①に引き続き、保健室登校についてお話いたしますね。
前回は、「保健室登校からでもいいよ」と言われたAさんについてのお話をしましたが、今回は自ら「保健室登校なら学校に行けそう」と言ったBさんの事例についてお話いたします。
なかなか登校に踏み出せないBさんでしたが・・・
Bさんは、登校へのプロセスを考えていくうちに私にこのように言ってきました。
「やっぱり教室にはまだ行けそうにない。けど、他のところだったら行けそうな気がする。」
Bさんからこの発言が出てきた背景は一体どのようなものだったのでしょうか?
カウンセリングにおいても、他の子どもがどのように登校を再開していったか、という事例をBさんにしてきましたが、Bさんにとって「保健室登校」という選択肢は最初から受け入れられたものではありませんでした。
カウンセリング実施当初のBさんは「学校に行くからには朝しっかりと教室から行きたい」と、強く思っていました。このブログを読まれているご家庭の、お子さんの中にもいらっしゃると思いますが、Bさんの様に「教室から復帰したい」と強く思っているお子さんはとても多くいます。
なぜそのように思うのでしょうか?
不登校になる子どもは
- 真面目
- プライドが高い
- 自己評価が低い
等の傾向が強い子どもが多いです。
真面目な子どもほど完璧を求めます。保健室などの別室登校は許せない、といった価値観を持つケースがとても多いです。また、自己評価が低い子どもからすると、周りからの自分を低く評価されると、より自己評価を下げてしまうケースも多いです。
そのため、他人から保健室登校を促されると傷ついてしまったり、他の生徒との違いを示され余計に学校との距離が開いてしまう傾向があります。
Bさんも、まさにこのタイプの子どもでした。
では、そんなBさんが保健室登校に前向きになったきっかけは?
実はBさん、1度教室登校をトライしています。しかし、教室で過ごす時間に耐える事ができず、教室への登校は継続できませんでした。ですが、Bさんは大きく沈むことなく、カウンセリングのためセンターへやってきました。
というのも、教室登校をトライする前に、私が「カウンセリングで教室へ行った時に良かったと思う点と、大変だなと感じた点を教えて欲しい。」とBさんに伝えていたからです。
Bさんに感想を聞いてみると、「クラスメイトからの視線や言葉にストレスを感じたものの、学校に行く事ができたのは良かった。」と言っていました。そのため「では学校へ行く事が良かったともっと感じるために、今度はどうするか?」を一生懸命考えました。
その時に、Bくん自ら保健室登校を提案してきたのです。
私jは「そこでも同じように良かったと思う点と、大変だなと感じた点を教えて欲しい。」と伝えました。そうすると、「保健室では居辛さはあったものの、教室に行くよりは良いし、学校に行けたのは良かった。」という感想を持って帰ってきてくれました。
保健室登校から教室に戻るのためにどうしていくかを考え、Bさんは今では教室登校を続けられるようにもなりました。
今回の内容はかなり掻い摘んだ内容ですので、間にはもっと沢山のやり取りがありましたが、Bくん自らが保健室登校=教室へ戻るためのステップと捉え、実行できたからこそ、教室登校へ繋がった、といえます。
子ども達が持つべき意識とは?
今回は2回に分けてお伝えいたしましたが、
- 保健室登校で良いよ。と言われたAさん
- 保健室登校からが良い。と言ったBさん
それぞれのお子さんの意識の違いとしては、
- ~と言われたという被害者意識
- ~が良いと言えた当事者意識
の差が大きいかと思います。
最後に・・・
お子さん自らが、当事者意識を持てるようなアプローチはお子さんによって違いますが、必ず手立てはあるはずです。
お子さん自らが登校へのステップを考えるためにも、まずはカウンセラーとお話を共有させていただけませんか?そこから一緒に考えて行きましょう!
関連ワード: 不登校支援センター東京支部 , 保健室登校 , 別室登校 , 学校 , 学校との向き合い方 , 当事者意識 , 被害者意識