「巻き込み不登校」という環境要因における傾向と対策
こんにちは。不登校支援センターの佐久真です。
突然ですが・・・「巻き込み不登校」という言葉、ご存知ですか?
不登校支援に携わっている期間が長いと、やはりある程度偏った傾向というものが見えて来るようになります。その一つに、地域や学校によって、不登校生徒数が多いところもあれば、かなり少ない(もしくは全くいない)ところがある、という傾向があります。
例えば、私の勤める大阪支部にご相談にいらっしゃる方の約7割〜8割は、関西でも北側に当たる北摂地域や、尼崎〜姫路までの阪神間エリアが多い傾向です。反対に、堺市(大阪の難波よりさらに南下した地域)より南の地域からのご相談は少ない傾向にあります。
不登校の生徒が多い学校・学年・クラスは、子どもが休みやすい状況にある
今回お伝えしたいのは、不登校に対して地域や学校、教育委員会等の対応方針やその対応内容の違いについて、ではありません。また、先にお断りを申し上げますが、不登校に対して地域や学校、教育委員会等の対応方針やその内容について違いがあるのは事実かとは思いますが、そのことと不登校生徒数が関連している、ということではありません。私はこれまで関西圏のたくさんの小中高で、様々な方とご意見を交換させて頂きましたが、基本的に不登校支援に消極的な対応をされているところなどは無く、むしろかなり積極的に支援されようと考えておられる方がほとんどです。
では、何をお伝えしたいのかというと・・・
不登校の生徒が多い学校・学年・クラスは、子どもが休みやすい状況にあることは事実である。
ということです。
ある中学校では、1年生5クラスある中、それぞれのクラスで5〜7名ほど不登校生徒がいると伺いました。学年で換算すると、30名近くの不登校生徒がいるということになります。これはあまりに極端に多すぎると言って良いかと思います。
ここで考えて頂きたいのが、環境による「子どもの心境」です。
他のカウンセラーの記事にもあるように、不登校というのは学校で受ける様々なストレスを【学校に行かないという行動によって対処しようとする】という風に考えるのが、不登校支援センターの考え方です。
学生の頃を思い出していただくと皆さんもご記憶にあるかと思いますが、学校という場所は小さなストレスから大きなストレスまで、自分の受け取り方によっては、ありとあらゆる出来事がストレスになりますよね?
しかし、それらのストレスに対して学校内で誰一人として休むという対処行動をとっていないとすれば、子どもは安易に【休む】という行動を選ぶことができるでしょうか?
反対に、学校やクラスで大勢の生徒が学校を休んでストレスを対処していたら・・・?
「あっ!じゃあ僕も!私も!ストレスがあるから学校を休む!」という対処行動を取りやすいと感じませんか?
巻き込み不登校が増加している、という実感も・・・
不登校の子どもが多い地域は、周りの休んでいる子に巻き込まれる形で不登校が発生するケースが増えてきていると実感しています。不登校生徒がほとんどいない学校やそちらの先生方からは、こういったケースをあまりお聴きすることはありません。
しかし、実際に不登校が多いクラスの先生とお話しをしていると、私の印象として小さなストレスに対して、簡単に【学校を休むという対処行動】を取る子が多いのかな?と感じることは少なくありません。
断定的な意見を申し上げることはできませんが・・・日々カウンセリングで子どもやご両親のお話しを聞いていて、こういった問題も起こりうるであろうと感じますので、そのことを十分考慮に入れた上で、一人一人の不登校支援の方針を決めるべきであると考えています。
※併せてお読みください!
学校は5つのストレス要因で成り立っている?子どもが「家では元気」なのに学校に登校しない理由①
学校は5つのストレス要因で成り立っている?子どもが「家では元気」なのに学校に登校しない理由②
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