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【事例】インターネットが自主性や主体性を発揮するステージとなった不登校の男の子A君

こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。

不登校のお子さんを持つ親御さんの中には、子どもがインターネットやスマートフォンに夢中になっていることが悩みの種になっていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

部屋に引きこもっていても暇をつぶせるネットサーフィンや、SNS。
時には不登校のきっかけにもなってしまうケースもあります。

そんなマイナスイメージのあるインターネット環境を、こんなふうに使っている子がいました。

本日は、その男の子A君のインターネット環境の使い方の紹介をしたいと思います。

不登校の男の子A君のインターネット環境の使い方

A君は鉄道が好きで、全国の鉄道事情に詳しい子です。

時刻表を毎月購入して、新しい編成を見つけては楽しんでいました。
各路線の歴史的な背景や地理もよく知っており、カウンセリングの中で私が鉄道に関する疑問を話題にすると、カウンセリングルームのPCを操作し、グーグルマップの機能を駆使して地図や映像を交えて私に解説をしてくれます。

インターネット上の地図サービスの各種機能を使いこなしていたため、私はA君に対して「好きなことには没頭できる子なのだろう」という印象を、抱いていました。

そんな彼がブログを書き始めたという話をお母さんから聞きました。

ブログを書き始めた男の子A君

不登校状態でありながらも徐々にA君の元気が回復してきた時期でした。

一人で貨物基地や少し遠い在来線の写真を撮りに行くようになっていたA君は、それらの写真にコメントをつけてブログを書き始めました。

雑誌の鉄道旅の特集のようなブログでした。

私も見せてもらったのですが、その子の人柄をそのまま反映させたようなブログの文章は、のんびりふんわりしていました。

このように、ネットを閲覧する側から情報を発信する側になることの間には、大きな違いがあります。

ネットを閲覧する側と情報を発信する側では、何が違うのでしょうか?

情報を発信する側になると、写真を選び、文章を考え、ブログ全体を編集をする「責任」を自らが負うことになります。

インターネットがその子の自主性や主体性を発揮するステージとなるのです。

様々な事情で教室の中で主体性を発揮するチャンスを生かせなかった子どもが、もう一度主体性を発揮するトライをすることとなります。

そしてブログは、公開すると人目にふれ、評価を受けます。
一方的に自分勝手なことだけを書きなぐる、ということもしづらいですね。

そのため、相手の反応を考えながら、自分らしさを発揮するトレーニングにもなるように思います。

自分から何かをしてみようという元気を回復したA君が、ブログという自己主張のツールを見つけ、自分の得意なことで人から評価され、それがまたA君を勇気付ける。

そんなサイクルの一助となってくれたのがA君のケースではインターネットでした。

最後に・・・

毒は時として薬にもなる。
(むろん、こういう流れになることを期待してカウンセリングの際に種まきはしていたのですけどね)

今回は、そんな事例を紹介させていただきました。

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