【事例】「親がなんとかしてくれる」という留年が決まった高校1年生男子A君
こんにちは、不登校支援センター札幌支部の松本です。
本日は、留年が決まってしまったある高校1年生の男子A君についてお話をしていきたいと思います。
留年が決まった高校1年生の男子A君
A君と初めて会ったのは7月の半ばです。
あと1週間ほどで夏休み、という時期でした。
入学式後から夏休みまでの登校日数はわずか8日間。A君は中学校時代から不登校の傾向があり、何とか掴んだ高校進学でした。
しかし、高校に入学して2日目から登校が出来ず、ある1つの単位では7月の時点で、出席日数が足らない状態となってしまっておりました。
親子の会話を再現すると・・・
父母 :高校はどうするんだ?
A君 :・・・・・。
父母 :転校したいのか?
A君 :・・・・・。
このように会話にならない状態が続き、どうしたらいいか分からない、と親御さんがセンターへ相談にいらっしゃいました。
A君とのカウンセリングを進めていく中で、分かったことがあります。
A君は、高校に対しての所属意識はなく登校の意欲はほぼない状態でした。
そして、A君は留年というものを、さほど大変な事としては捉えていませんでした。
それは何故か?
答えは明確でした。
親御さんが先に動いてしまうことに理由はありました。
親が何とかしてくれる。と思っているA君
初回無料面談にお越し頂いた時には、既に親御さんが通信制高校のパンフレットを請求・確認しており、ある程度アタリをつけた状態でいらしていました。
しかし、学校に行くことをA君自身が考えておらず、親が何とかしてくれると思っている、そんな状態でした。
現在もA君はカウンセリング中です。
A君本人が高校に行く目的を見つけ、またストレスをどのように処理していくのか、といったことをメインに、毎週カウンセリングを実施しています。
「留年」という言葉
「留年」
この言葉に反応するのは、お子さんだけでなく親御さんももちろんの事だと思います。
子どもを思うからこそ、通信制高校や単位制高校、サポート校にいち早く編入をさせたい気持ちはよく分かります。
子どもは、新たな場所で一所懸命やろうとします。
ですが、上手くいかない。
そしてまた一つ傷を負ってしまうこともあります。
何故上手くいかなかったのか?ではなく何故高校に行くのか?
現在の日本は、高校へ進学する子どもが多い世の中です。
子どもたちにとって高校へ進学することは義務教育に近い感覚なのでしょう。
しかし、高校は義務教育ではありません。自分で考え、自分で動かなければならない立場となります。
だからこそ、自分自身の「学校に行く」目的が必要となります。
そこが一番難しいかもしれませんが・・・・。
留年を絶望と捉えるかチャンスに変えるのか?
関連ワード: 不登校支援センター札幌支部 , 何故高校へ行くのか , 出席日数 , 留年 , 高校1年生男子