「どうせ自分なんて…」と悲観する子どもへの接し方のコツ③
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
今回も、「どうせ自分なんて…」と悲観する子どもへの接し方のコツ②に引き続き、『子どもの自信を育むコツ』について、紹介していきたいと思います。
「どうせ自分なんて…」と悲観する子どもへの接し方のコツ①はこちら
「どうせ自分なんて…」と悲観する子どもへの接し方のコツ②はこちら
「子どもの自信を育むコツ」は「親子の信頼関係を育むコツ」でもあります
これまでに、私は子どもの自信を育むコツをお伝えしてきましたね。
2つのコツを実践されているとすると、以前と比べ親子の間で雰囲気のよい時がぽつりぽつりと増えてきているのではないでしょうか?
このコツは、子どもの自信を育むコツと銘打って紹介しましたが、また同時に、『 親子の信頼関係を育むコツ 』でもあります。
【信頼】とは・・・
結果を出せていないとしても、無条件に相手の可能性を信じること
【信用】とは・・・
結果を出しているから信じてあげるという条件がついていること
信頼と信用は違います。
「どうせ自分なんて…」と悲観する子どもへの接し方のコツ①では、結果を出せていようともいなくとも関係なく、内面の努力を汲み取ること。
「どうせ自分なんて…」と悲観する子どもへの接し方のコツ②では、発言の内容に関係なく、子どもの思考・感情を肯定すること。
をお伝えいたしました。
周りの大人が自分を信じてくれることが、子どもが自分を信じやすくなる
自分で自分を信じるってすごく難しいことですから、まずは周りの大人が自分を信じてくれることで、
自分で自分を信じるようになりやすくなる、自信を持ちやすくなるのですね。
学校に行けた、上手くやれたという『 結果 』をなかなか出しづらい状況であれば、まずは子どもを勇気づけるために、大人が先に信頼してあげる。そうすることで、子どもの自分自身への信頼も育まれていくのです。
それほどよい影響を及ぼすことのできる親子の信頼関係ではありますが、築き上げるのがなかなか大変ですね。
一旦出来てしまえば親御さん自身が楽になりますし、子どもとの状態も上向きになりやすいのですが、作り上げるまでに相当な心のエネルギーが必要だと思います。
もう少し子どものことを信頼してあげた方がいいのかもしれない、そう思われている親御さんは
以下に紹介する考え方をぜひ取り入れてみてみましょう。
『 子どもを信頼する 』ためのシンプルな考え方
書籍などでも「子どもを信頼しましょう」というのは決まり文句のように書かれており、信頼しようと試みられた親御さんは多くいらっしゃると思います。
ただ、
- 「じゃあ子どもの言うことはなんでも聞かないといけないの?」
- 「子どもがやりたいって言えば好きなだけゲームをやらせた方がいいの?」
- 「欲しいとねだってきたものは何でも買い与えた方がいいの?」
など
『 信頼すること 』と『 甘えさせること 』とが混同されやすいのではないかと思います。
子どもを甘えさせるにしても、限度がありますよね。
そういった行き違いを避けるためにオススメしたいのが、以下の考え方です。
それは「リソース」という考え方です。
リソースとは、資源、資質の意味です。
その人の能力、興味・関心、趣味、好きなこと、やれていることなどなど、その人をとりまく、あるもの全てが『 リソース 』です。
問題にもリソースが埋まっている
ここで注意したいのが、リソースは長所だけではないということです。
あるもの全てがリソースなので、短所や問題もリソースです。
むしろ、問題の中にこそリソースが埋まっています。
問題からリソースを掘り当てる例を出してみましょうか。
<例1> 親に対して反抗ばかりする子
リソース:親に立ち向かえるほどの力を持っている、自分の考えを持っている
<例2> 自己主張をあまりしない子
リソース:余計なことを言わないので、聞き上手になる可能性を持っている
<例3> 計画性のない子、先を読んで行動しない子
リソース:難しく考えずにその場その場で行動する力を持っている
<例4> 自己評価が低い子
リソース:自分に対して奢らない厳しさと謙虚さを持っている
以前のブログ記事、「子どもの不登校を解決するために必要な2つの視点②」でも問題を能力として捉えてみることを取り上げて紹介しましたね。
物事は捉え方次第で大きく意味が変わってきます。
ならば、解決のために役に立つ捉え方をしてみませんか?
リソースは、問題を解決するための材料であり、問題を解決する力が自分にはあると感じるための材料でもあります。
これから問題を解決しようとしているならば、その材料集めをする方が手っ取り早いですね。
ここで『 信頼 』の話に戻りますが、単純に言うと
信頼する = 相手のリソースを見つけようとする
信頼しない = 相手の問題や病理を見つけようとする
ということになります。
「自分には力がある」と感じられることって、単純に嬉しいですよね。
自分の力を感じられてこそ、自分の明るい未来を思い描くことが可能になりますし、そのために自分が行動を起こす勇気を持てるようになります。
ですので、まずはリソースを掘り起こしてストックしておくことが大事です。
そして、リソースの掘り起こしはいつからでも始められます。
そのストックがあると、何かの折に「あなたってこういうリソース持ってるじゃない」と、勇気づけ、応援することが出来ます。
疑いの眼差しを向けられるということ
「この子にはどんな問題があるのだろうか?」「どこを治さないといけないのだろうか?」という疑いの眼差しを向けられて、果たして子どもは前向きになるでしょうか?
親御さんの中には、子どもの不登校を解決するために相談機関や医療機関にかかられた方もいらっしゃると思いますが、その中にはカウンセラーから『 親の関わり方に問題があるんじゃないか 』という前提で話を聴かれた方もいらっしゃるかもしれません。
自分に問題があると思っている方は別かもしれませんが、そのような「親の関わり方に問題がある」という態度で接されるとすごく嫌な気分になりませんか?
私はそんな風に疑ってかかられるとすごく嫌ですね。
とてもじゃないですが、その人を信頼する気にはなれませんし、前向きに『 頑張ろう 』とは思えないのではないでしょうか。
誰だって、疑われたくないですし、自分の力をないがしろにされたくないですよね。
『 粗探し 』ではなく『 宝探し(リソース探し)』
相手が「どんな問題を持ってるんだろう?」と疑ってかかると、相手の問題ばかりが目に付きます。
相手が「どんな力を持ってるんだろう?」と疑ってかかると、相手の持っている強みが不思議と見付かります。
粗探しではなく、宝探し(リソース探し)をしましょう。
なかなかリソースが見付かりません、という方がいらっしゃいましたら、一緒に探していきましょう。
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