心配性な子どもと向き合うために必要なこと~「気にするな」は逆効果!?~
こんにちは。
不登校支援センター大阪支部の桒原航大(くわばらこうだい)です。
ウチの子、すごい心配性で・・・
センターに相談に来る子どもの中には、ストレスからか、いろんなことをいつも心配している子も多いんですよね。
- もし、授業で先生に当てられたらどうしよう。
- もし、クラスの子にこんなふうに思われてたらどうしよう。
- もし、行く途中で近所の人に見られたらどうしよう。
・・・
ときには実際に起こる可能性がほとんどないことにまで不安を感じてしまいます。
初めは一緒に解決策を考えることができても、次から次へと「でも、こうなったら、ああなったら」と不安が出てくると、皆さんもついついこう言いたくなるかも知れません。
「気にするなって」
だって、気にしすぎだと思いますよね。「気にするな」と言いたくなるのも無理はないかと思います。
では、「気にするな」というアドバイス、つまり「気にしていることを気にしない」というのは言われた方はどんな感覚なんだろうか、というのを一緒に考えてみましょう。
次の文章を読みながら、文章の指示に従ってもらえますか?
「あなたの目の前に白い犬がいます。その白い犬はいい子にしていて、じっとあなたを見つめているのですが、 その白い犬を頭に思い浮かべないでください。あなたにかまってほしくて、ワンワン!とほえたりもしているのですが、その白い犬をイメージしないでください。
よろしいでしょうか?白い犬を決して頭に思い浮かべないように、考えないように、意識してみてください。」
どうでしょうか?
難しいですよね。読んでいる途中で白い犬は頭に浮かびますし、白い犬のことを考えないように、心の中で思えば思うほど、白い犬のことを考えてしまう・・・。
実は、人間の脳にとって「○○しない」っていう作業はとても難しいらしい
「○○しない」と思えば思うほど、反対にそのことを考えてしまうそうです。
だとすると、何かを気にしている子に対して、「気にするな」とアドバイスするのはどんなことが起こるでしょうか?
「気にしない」と思えば思うほど、「どんどんそのことが気になってしまう」
これは困った状況です。
相手の不安を少しでも和らげたい、なんとかしたいと思っているのに、反対に不安が強くなってしまう・・・。
じゃあ、どうしたらいいんでしょう?
それは、別のことに意識を向けること、だそうです。
よく考えたら当たり前のことかもしれません。確かに、2つのことを同時に考えるってできないですよね。
一つのことを考えている間は別のことは考えられないですし、そうなると、元々気にしていたことを気にしない状況に結果的になっていることに気づきます。
いろんなことを気にすることができるのは、一つの能力
いろんなことを気にすることができるのは、一つの能力だと私は考えています。
いろんなことについて、広い視野で色んな視点から、気づくことができる、考えることができる、それって大切なことですよね。
ただ、その気にする事柄・視点がネガティブなものだと、考え続けるのもしんどいでしょう。
毎日が不安でいっぱいになるかもしれません。
ただ、その気にする事柄・視点がポジティブなものだと、考え続けるのはどうでしょうか。
不安よりも安心を感じる毎日になるかもしれません。
もしかしたらワクワクもできるかもしれません。
大切なことは、気になっちゃう自分を抑え込む(気にしない)のではなく、気にしている自分を受け止め、何に意識を向けるかを考えることだそうです。
そう考えることができると、いろんなことが気になる自分ともうまく付き合っていけるだろうなあ、と思います。
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