「どうせ自分なんて…」と悲観する子どもへの接し方のコツ②
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
今回は、前回「どうせ自分なんて…」と悲観する子どもへの接し方のコツ①に引き続き、『子どもの自信を育むコツ』を紹介していきたいと思います。
子どもが言う「自分の欠点」を、親御さんがそのまま認めること
親御さんが「子どもに自信をつけてあげよう」「子どもを肯定しよう」と心がけているときに、陥りがちな落とし穴があります。
それは
子どもが自分の欠点を表してきたとき、に親御さんが「そんなことないわよ」と言ってあげること
です。
「そんなことないわよ」=「あなたにはそんな駄目なところはないわよ」と子どもに伝えるのは決して悪いことではないです。
「そんなことないわよ」と否定して欲しくて、子どもはそのように言ってくる時もありますし、それで子どもが「そうかなぁ」と思えたら問題ありませんが子どもが「(親は)分かってくれない!」と、しこりを残しているようなら注意が必要です。
例えば、以下のやりとりが起きているような状態です。
例)
子ども:「私は勉強ができないなんだ。頭が悪いんだ」
お母さん:「そんなことないわよ。やればできるわよ」
子ども:「どうして分かってくれないの!」
どうでしょう?これに似たようなことがお家で起きていませんか?起きているのだとすると、なぜこのようなことが起きるのでしょうか?
否定の否定、否定の肯定
ここでの、親御さんの「子どもに自信をつけてあげたい」という気持ちは、とても尊いものです。「そんなことないわよ」という言葉には、「あなたならやれる」、「可能性がある」、「応援したい」そういった思いが詰まっているのではないでしょうか。
親御さんの思いが詰まったポジティブな言葉であるはずなのに、どうして子どもは素直に受け取れないのでしょうか?
それは、子どもの「能力」を肯定しているものの子どもの「感じていること」「考えていること」を否定することになってしまうからです。
ですので、子どもは自分が感じていること、考えていることが間違っているかのように言われたと感じて、反発することになってしまうのですね。
子どもに問題があろうとも、問題がなかろうとも大切なこと
あなたには問題がない = あなたは大丈夫だよ
無意識的に、こういったメッセージを大人は送っているときがあるのかもしれません。これでは子どもは納得しないときがあります。特に自分の問題を強く感じるときはなおさらです。
なので、以下のように切り替えていく必要があるのかもしれません。
あなたには問題がない = あなたは大丈夫だよ
→あなたに問題があったとしても、大丈夫だよ
そもそも『 問題のない人間 』など、いないのではなかろうかと私は思います。
『 問題のある人間 』であっても、悪くないのではないでしょうか。
例えその人に欠点や問題があろうと、人間としての尊厳は失われません。その確信があればこそ、相手の欠点も含めて、まるごと受け容れることができるのですね。
これは脱線になりますが・・・
ドラマや映画、アニメなどでは大体のところ欠点のある登場人物ほど味があったり、好感を持てたり、共感できたりするものですよね。問題のない登場人物が出てくるストーリーほど退屈なものはありません。どのようなストーリーにおいても、欠点や問題を抱えた主人公が障害を乗り越えるからこそドラマが生まれるのですね。
欠点や問題というのは、当の本人からすると好ましいものではありませんし、苦しく感じるものです。
しかし、欠点や問題があることが悪いということはなく、どのような人でも欠点や問題を持っており、むしろ人間味を感じさせるものであったり、変化や成長をもたらす可能性を秘めているのです。
そのため、私はカウンセリングの場で子どもが自分の駄目なところを出してきたら、否定せずに「そういうところがあるのか」「苦手なのかもしれないね」と言うことがあります。よりマイルドに言うならば「そう思ってるんだ」「そう感じてるのか」といった言い回しになるでしょうか。「あなたにそんな欠点があったとしても、僕のあなたへの態度は変わらないよ」ということを示しています。
また、「僕も同じく問題を抱えたひとりの人間なんですよ」ということを陰に陽に伝えることもあります。非常にざっくりと捉えると、大人も子どもも同じ『 何かしらの問題を抱えながらも生きている仲間 』ですから、同じ土俵に立って「どうしようかねぇ」と話し合いに発展していけるのですね。
加えて厳しい話をすると、例えば勉強が苦手だからといって、やらなくていいわけではないですよね。苦手な勉強について、苦手なりに『どうしたいと思っているのか』『どう向き合っていくのか』それこそが肝心ではないでしょうか。
子どもが欠点や問題を頑なに表に出してくるようでしたら、まずは子ども本人が『 感じている問題 』『 考えている問題 』を受けとめ、そう感じていること、考えていることをちゃんと認めてあげる。
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