ぜんそくで苦しむ小学生3年生の男の子 その見えない本音(後編)
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の桒原(くわばら)です。
前回は、ぜんそくで苦しむ小学生3年生の男の子 その見えない本音(前編)で
ぜんそくで苦しむ小学3年生の男の子について、お話しました。
子どもが話す、学校に行けない原因をいくら解消してもなかなか前に進まないとき、視点を変えて考えてみることも解決へのきっかけとなるというお話でしたね。
「ぜんそくで苦しむ小学生3年生の男の子 その見えない本音(後編)」をお話する前に先にお伝えしますと・・・
今回Aくんのことをサポートしていくのに大切だったポイントは Aくんの持つ「人から注目されたい」という気持ちでした。
Aくんのことについて改めて振り返っていくと、以前は野球クラブに通う、元気な子だったそうです。
練習の様子をよく家族で見に行っていたそうで、Aくんも応援してもらうことがとても嬉しく、練習の日を楽しみにしていたそうです。
しかし、ぜんそくもひどくなり野球の練習も休むようになり、そのことでだんだん野球クラブの練習自体にも行きづらくなっていたそうです。
Aくんにとって野球の練習は、親御さんから応援してもらえる、自分の頑張りを認めてもらえる時間でしたが、その時間がなくなってしまいました。
自分が人から注目をされないということ
人から注目されたい気持ちが強い子にとって、
注目されなくなるという状況はとても耐えられないものです。
そのような状況に置かれたときに、人は「前向きなことをして認めてもらえないのであれば、後ろ向きなことをしてでも注目をされる方がいい」と考えてしまうそうです。
周りから注目をされないぐらいなら、困らせること、心配させるようなことをして注目を集めようと無意識に行動してしまうこともあるそうなんですね。
実際、Aくんも親御さんから応援してもらえる野球に行きづらくなったことで注目されることが減ってしまいました。
ぜんそくの症状が出ているときは親御さんも心配してくれましたが、症状が和らぐと、また心配してもらえなくなります。
そこで、
親御さんから注目してもらうために「おなかが痛い」と訴えたのかもしれない、そんな視点で考えてみることも大切になります。
このように、Aくんの言動の意味を考えていくと、親御さんも思い当たるところがあるようでした。
それと同時に「最近、おなかが痛い痛いと言っている子どもと話すのもしんどくて、なかなか楽しく話すことができていないかもしれない」ともお話されていました。
この振り返りがAくんが前に進むきっかけとなりました。
おなかが痛くて休むと言い、Aくんは怠けていると思っていたお母さんも「この子はかまってほしくてやってるんだな」と思えるようになるとかかわり方も変わったようです。
それでも腹が立つことには腹が立ってしまうそうなんですが、
Aくんがプリントを家でやるなどの前向きな努力をしたとき、以前であれば当たり前だと流していたことも、気づいて伝えられるようになったとのことでした。
Aくんも自分の頑張りに気づいてもらえるのが嬉しく、それがエネルギーとなり、学校のことにも少しずつ向き合っていき、再び登校を始めていきます。
今回のように子どもの本音はなかなか見えないことが多く、
子どももそれを自覚していないことが多いです。
そういった見えない子どもの気持ちを一緒に考えていくことも、私たちがお手伝いできることの一つだと考えています。
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