子どもの不登校を解決するために必要な2つの視点②
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
さて、前回の子どもの不登校を解決するために必要な2つの視点①では、学校に行かない子どもと接する上で持ちたい視点として、1つ目の視点の「何を求めているのだろうか」という視点についてお話させていただきました。
今回は、2つ目の視点についてお話させていただきたいと思います。
よくある視点「様子を見ていれば、そのうち行くんじゃないか」
今回お伝えする視点と対極となるのは、この「様子を見よう」という視点です。
もしかしたら既に学校や医療機関にて「様子を見ましょう」言われたことがあるかもしれません。
場合によっては「(今は)無理に行かなくてもいい」と言われた方もいらっしゃるでしょう。
こういったアドバイスが必ずしも悪いとは限りません。
子どもが自然と良くなるのを信じることは、必ずしも間違っているとはいえないでしょう。
むしろ、子どもの問題解決能力、成長、可能性に信頼を寄せることは、本当に大事なことです。
また、子どもの苦痛が著しく、自殺や精神疾患のリスクがある場合には、本人をストレスから遠ざけることが先決になることもあります。
しかし一方で、学校や医療機関などの権威のある大人から
「(今は)学校に行かなくてもいいよ」と言われた子どもはどうなるのでしょうか?
「あ、行かなくてもいいんだ」とほっとひと安心するかもしれませんが、
あの人が行かなくて良いって言ったから、行かないんだ」と免罪符にしたくなるでしょう。
「今の自分には学校に行く力がないんだ」と、自己評価をより下げるかもしれません。
その結果、学校に行かない期間が長引く可能性もあるのです。
また、様子を見るとはいっても、親御さんと子どもの間では様々なことが起こっているでしょう。
- 「いつになったら行くのかな」と不安げな表情で接することが多い
- 「明日からは行くって言ったじゃない」と責めたい気持ちになる
- 子どもがだらだらしているのを見ていると、溜め息が出てくる
もしこのような状況にあるのだとしたら、親御さんとしては「見守っている」つもりでも、
実は「ちゃんと行こうとしているかどうか」「行かないなら行かないなりの生活をちゃんとしているかどうか」を
「監視する」ことになってしまっている場合も少なくありません。
社会で生きるためには、どういったことが出来るようになる必要があるか
そういった状況から抜け出すために持ちたい視点が、この
「社会で生きるためには、どういったことが出来るようになる必要があるか」という視点です。
学校は、家庭と社会との「架け橋」の役割を担っていますから、
学校に行っていないのであれば、 なおさら社会で幸せに暮らせるにはどうしたらよいのか、考えていきたいですよね。
学校をはじめ、社会に出ると様々なストレスを受け取ることになります。
- 不運に見舞われたり
- 嫌われたり批判されたり
- 義務や規則を押し付けられたり
- 好きでもない人と付き合わなくてはならなかったり
- 無意味だと思えることでもやらなければならなかったり
そういった嫌なことと無縁の人生を送ることは、そう易々とはできませんね。
やり方を臨機応変に変えてうまく対処したり、工夫して乗り越えたり、受け流したり出来るようになることで、 「自分の力で生きる」、つまり自立していきます。
そのために子どもの力を「引き出す」「伸ばす」という手伝いをしてあげることも重要です。
子どもの力を引き出すこと、伸ばすこと
花は勝手に成長しますが、栄養がなければ枯れてしまいます。
子どもも自然と成長するところがありますが、子どもの心に栄養を与え、力づけていくことも考えていかなければならないのではないでしょうか。
子どもの力を引き出そうと思ったときに、最も手っ取り早くできるのは、こちらの「捉え方を変える」ことです。
一見、問題行動のように思えることであっても、捉え方次第でその子の「能力」を発掘することが可能です。
たとえば…
- 人に自分の気持ちを言わない → 自分の気持ちを出さない我慢強さがある
- 他者評価を気にしすぎる → 他の人がどう思うか想像する力がある
- 一日中ゲームをやっている → 好きなことに熱中できる
- 頑固 → 自分なりの信念がある などなど
このように、普通なら「問題のある子」と捉えるところを、「能力のある子」と捉えてみるとどうでしょう。
どちらが言われて嬉しいかは、言わずもがなですね。
そういった、子どもの肯定的な側面に目を向け、自らの能力を気付かせてあげることは、心の栄養となります。
それが上手くいくと、自分自身に対してある程度、自信や希望を持てるようになりますし、
不安に立ち向かうための大きな力となります。
他には、子どもの「力を伸ばす」というアプローチが必要な場合もあります。
たとえば子どもが特定の状況や環境、相手に苦手意識を持っていたり、
うまくストレス処理しきれずにいるところがある場合などです。
そういった場合、「問題をうまく乗り越えられた」という実感を得られるよう、
「成功体験」を積んでいくためのサポートをする必要があります。
特に、これまで失敗や挫折、上手くいかない経験をしてきた子どもならば、なおさらですね。
二つの視点を持つということ
- 子どもの心が求めているのは何なのだろうか
- 子どもが社会で生きるには何を身につける必要があるだろうか
この二つの視点はどちらも欠かすことが出来ません。
言い換えるならば、「子どもが必要としていること」「社会が(子どもに)必要としていること」の両方の視点を持つということです。
前者が「子どもの要求に応じてあげる、包み込んであげる『母性』」だとすると、
後者は「生きる術を教える『父性』」だと捉えることもできるかもしれません。
子どもの気持ちを分かろうとせずに父性だけを押し付けても、子どもは言うことを聞きませんし、
生きる術を身に付けさせずに母性だけで接しても、社会での生きづらさを感じやすくなるでしょう。
1つの目だけでは、平面的なものしか見えませんが、 2つの目を持つことで、奥行きが見えてきますね。
ぜひこの2つの視点を持った上で、カウンセリングの場で方針を一緒に考えていきましょう。
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