不登校解決現場レポート

4月のストレスとカウンセリングのタイミング

4月という時期

 

皆さん、こんにちは。
不登校支援センター福岡支部の永島です。

4月ももうすぐ一ヶ月が経とうとしています。
現状、私のところに来訪されているクライアントにも、4月から学校に登校できている人もいます。
よく「学校に行くことが全てではないですよ」ということはお伝えしておりますが、
それでも嬉しく感じてしまいます。
素直に喜べないのは、4月という期間は『無理が利く』期間だったりするからです。
知らず知らずのうちにストレスがたまっており、あることがキッカケで学校に行かなくなってしまう。

それが多くの場合の子どもの不登校問題に起きていることです。
なので、本人も家族も意識できないようなストレスがかかっている可能性を、常に頭の片隅に置いておく必要があります。

多くの子どもが「4月からは学校に行けると思う!」などと言うことがあります。

また、親御さんも「4月からは環境が変わるから、もしかしたら・・・」と思うこともあります。
そういう『心機一転』の適切な時期であることも要因のひとつですが、4月から登校できている子どもとそのご家庭は1月~3月の間に変化が起きております。

もちろん学校に通えるだろうな、と思えるような改善傾向の変化が。
ただし、この変化が急激でないことが大事です。
急激な変化は急激に戻ります。

例えば、『心機一転』、『環境の変化』に期待しての4月からの登校だったりすると、新しい環境下でなじめない場合は、また同じことの繰り返しになるだけなのです。

自我防衛機制(※1)のやり直し(※2)が働いているだけになります。
親御さんとしては子どもの不登校問題は一刻も早く解決したいと望むのは当然のことです。

しかし、子どもが今まで長い年月を掛けて変化させてきた『学校に行かない』という状態に対して、

短期間での変化は『急激な変化』になってしまいます。
そして4月は否応無しに『急激な変化』を強いられる期間になります。
その急激な変化に対応していけるような準備を1月~3月の間にしていなければ、
4月を過ごし、ゴールデンウィーク明けには元に戻ってしまう可能性が非常に高くなってしまいます。

この4月を踏まえて、目に見えていないストレスに対応するためにも、経過観察としてのカウンセリングがとても重要なものになります。
問題が起こってからのカウンセリングはもちろん重要ですが、
問題が起きる前のカウンセリングの必要性も感じてもらえたらと思います。

(*1) ※1 自我防衛機制(または防衛機制)
自分にかかるストレスを逃がすための心の防衛本能。ストレス対処能力のひとつではあるが、これに該当するものは根本解決にならないため、同じ事を繰り返す可能性がある。
(*2) ※2 やり直し(またはゼロクリア)
あることをしていて上手く行かなくなって欲求不満が起きた場合、その課題を解決せずにやり直すことでストレス対処を行うこと。