新学期から学校に行かない・・・不登校の子どもに親がまず取り組む事とは?
こんにちは。不登校支援センターです。 こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
春は、花も色づき始め、進級・進学といった季節ですね。 この時期になってきますと、心が落ち着かなくなってくる。という方も多いのではないでしょうか。 自分も学生時代、この時期は何かとそわそわしていたことを思い出します。そして、大人になっても変わりません。 親御さんとしても、お子さんが、
- 「新年度からはどうなるのか。」
- 「新たな環境に馴染めるだろうか。」
- 「しっかり学校に行く事ができるのだろうか。」
…など、様々なお気持ちがあるかと思います。
今回は、親御さんの心構えについてのお話です。
受験で新たな環境へ挑もうとされているお子さんや、進級のため、日々学校生活と向き合っているお子さんなど、次のステップへ向け、気を張りながら、日々の積み重ねに取り組んでいるお子さんが多いかと思います。 そのお子さんのサポートに尽力されている親御さんにとっても、同じように、気を張りながら、日常生活を過ごされているのではないでしょうか。 そんな時、
『もし、進級・進学の掛かっている我が子が、学校へ行かなくなってしまったら。』
どのように思われるでしょうか。 多くの親御さんは焦ってしまうのではないでしょうか。
- 「今いけないと、内申点に響いて、進学が不利になってしまうのではないか。」
- 「今行かないと単位がまずくなってしまう。」
- 「今行かないと、欠席日数が多くなって、進級できない。」
…などと、考えることがあるかと思います。 焦る気持ちというのは、とてもわかります。 では、このような状況の際に、どのように親御さんは構えていればいいのでしょうか。 単刀直入に申し上げます。
『課題の分離』を心構えとして持っていきましょう。
学校に行かないお子さんを前にした「課題の分離」とは、どういったことか、と簡潔に言いますと、
【学校に行くのはお子さん。】
【それをサポートするのは親御さん。】
と、まずは線引きをする事が大切です。 線引きをした後に行うこととしては、 お子さんと、親御さん。それぞれの課題を明確にし、それぞれが課題に取り組んでいくということです。 どのように分離を図るのかというと、 例えば…
【お子さんとしては、学校に行くために、何から取り組んでいくのか。】
- 勉強の遅れを取り戻す
- 生活習慣を見直す
- 友達に連絡を取ってみる…など。
【親御さんとしては、学校に行けないお子さんに、どのようなアプローチをすればいいのか。】
- アドバイスを求められたときに答えてあげる
- 食事等の体調面でのサポート
- 必要なものをそろえる
などの様に分離をしてみるイメージです。 大切なのは、お子さんもしっかりと課題を考えることです。 やらせようとしても子どもは動きません。 やってみようかな。という事を精一杯サポートする事が重要です。 確かに、お子さんが学校へ行かなくなってしまうと、親御さんとしては、「どうにかしても行かせなくてはいけない。」と、焦ってしまいますよね。 焦ってしまうと、冷静な判断ができなくなってしまったり、お子さんとぶつかってしまうなど、良い方向へ進みにくくなってしまいます。 このようなときこそ、焦らず、ゆっくりで構いませんので、課題の分離をし、状況を整理しましょう。
課題の分離のメリットはいくつもあります。
- お子さんが自発的に色々と考え行動する→考えの幅が広がる。
- サポートに徹することで、広い視野でお子さんの様子を見ることができる。
- 課題の明確化により、物事に取り組みやすくなる。
- 子どもが、親から信頼して貰えている。と、感じやすくなる→親子の信頼関係の向上
…等のことがあげられます。 当センターにお越しのご家庭で、課題の分離を行っているケースが多くあります。ただ、最初からうまくいったわけではなく、試行錯誤を重ねてきました。 ですが、結果として、
- 無事、復学し、進級・進学ができた。
- 進級・進学が叶わなかったとしても、次に設けた課題に向け、取組みを始めた。
- お子さんが、自分の意思を明確にし、専門的な分野に進むことができた。
など、皆さん方向はそれぞれですが、前を向いて歩き始めています。 簡単な道のりではありませんが、今を乗り越え、お子さんとご家族の明るい将来のために、 まずは、「課題の分離」ここから取り組んでみてはいかがでしょうか。